読死寸前

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2009/05/05   「オイディプス症候群」   笠井潔 : 笠井潔


本格や新本格を好きな人でも少し読みづらいかなあ・・・と思いつつ、
時間のあるときには面白いと思う本。
さすがの読み応え。
ちなみにシリーズをご存じない方のために書いておくと、
パリジェンヌのナディア・モガールと謎の日本人青年の矢吹駆(ヤブキカケル)のシリーズ。

~あらすじ~
ナディア・モガールと矢吹駆は、
ウィルス性の奇病にかかった友人の医師の依頼で彼の同僚マドック博士に書類を届けることになった。
二人はパリからアテネ、クレタ島、さらにその南に浮かぶ「牛首島」へと向かうが、
島にある大富豪の別荘「ダイダロス館」には他の招待客の男女もおり、
彼らととともに島に閉じ込められてしまう。そして奇怪な連続殺人事件が起こる・・・。

・・・・とまあ、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」などの、
孤島に閉じ込められた殺人モノ・・・と言ってしまえば簡単なのだけど、
ストーリー内で繰り広げられる様々な議論がまさに圧巻。
登場人物による推理議論はもちろんのこと、
このシリーズならでは毎度の現象学や政治などに加え、
今回は事件の背景の関係から人類学やギリシア神話の世界まで!!
ただこのあたりの内容の部分も、いい加減に書かれてはいないので、
けっこう楽しめるかなあという感じ。
「現象学」なんて、大学でちょこーっと勉強した記憶があるので、涙が出そうなほど懐かしかったり・・・。

新本格のミステリとしても、もちろん十分に楽しめた。
冒頭のアフリカでの出来事とアメリカでの悲惨な事件が島で結びついた謎解きにカタルシスを感じた。


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